久しぶりの旅行。
たった1泊だけの貧乏旅行だけど、恭子はとてもはしゃいでいた。
電車に乗るのも何年ぶりだろうか。
高校卒業してから、ひょっとしたら乗ったことがないかもしれない。
旅行といっても近場で、格安のホテルに泊まる。
それでも恭子はめちゃくちゃ喜んでくれた。
ありがとうと言って僕に抱きつく恭子。
とてもうれしかったのだけど、本当ならもっといい贅沢をさせたい…
それが叶わないから今回は貧乏旅行で我慢してくれ。
恭子は昔から贅沢をしない。
とても倹約家で小さな生活を好んでいる。
そんな恭子がとてもいとおしい。
将来的に結婚ができたら、とても健全な生活が送れそうだ。
そんな生活を夢見ていたのもつかの間、まさかこれからあんなことが起きてしまうとは…